提言・要望

平成22年度中小企業関係施策に関する要望

平成21年7月

名古屋商工会議所
京都商工会議所
大阪商工会議所
神戸商工会議所

昨年秋以降の世界的な経済危機の影響により、我が国経済も大きな打撃をうけており、その克服が官民挙げての最大の課題となっている。

これまで数次にわたって実施された政府の経済対策による緊急的支援措置は、タイミングもスピーディーであり、その効果も認められるものの、製造業を中心とした需要の激減・縮小や、雇用・所得環境が悪化する中での消費の低迷など、環境激変への中小企業の対応には相当長期の時間を要するものであり、当面の対策とともに引き続き、国と地方が一体となった景気浮揚につながる機動的・継続的な取り組みが不可欠となっている。

また、関西地域においては、5月中旬以降、新型インフルエンザが発生し、観光関連産業、小売商業など地域経済に甚大な悪影響を与えており、今後の適切な対応が強く望まれる。

一方、関西・中京圏においては、地域の強みや特性を活かした地方再生・活性化に向けて、大阪湾岸地域でのパネル生産等を核とする先進的な企業集積の形成をはじめ、医療・ライフサイエンス関連や環境対応車の開発など、次世代を担う産業の育成・集積に取り組んでいる。これらを我が国経済の大宗を占める中小企業全体の発展やイノベーションにつなげていくことが肝要である。

かかる観点から、我々名京阪神の4商工会議所は、下記の諸施策の実現にむけて、特段の配慮が払われるよう強く要望する。

Ⅰ.未曽有の経済危機を乗り切る中小企業への経営支援

1.経済危機を乗り切る中小企業の経営支援の強化

(1)全国レベルでの小規模事業対策予算の十分かつ安定的な確保

未曾有の経済危機の中、地域経済と雇用を守るセーフティネットとして、小規模事業対策は、全国レベルで十分かつ安定的な実施体制および予算が確保される必要がある。そこで、地域によってその水準に大きな格差が生じないよう、国が責任をもって、全国的な基準や指針を都道府県に対し提示・指導するなど、小規模事業対策の実施体制や予算確保に向けた働きかけを積極的に行われたい。

(2)創業・経営革新への支援強化

地域の活性化や雇用の創出に貢献する新規創業を強力に支援するため、「創業塾」をはじめ、インキュベーション施設などの創業助成事業の拡充や、創業時の資金調達が円滑に行われるよう融資制度の拡充を図られたい。
また、中小企業新事業活動促進法に基づく「経営革新」は、新たに取り組む事業を支援し、中小企業者のやる気を喚起させるものであり、中小企業の活性化には重要な施策であることから、経営革新計画の承認企業に対する補助金制度の復活など、各種支援メニューの拡充を図られたい。
なお、経営革新計画の承認、新連携計画の認定については、承認・認定機関によって難易度に差が生じないような措置を講ずるとともに、承認・認定、各種支援施策の審査等が速やかに、かつ円滑に行われるよう徹底されたい。

(3)下請取引の適正化

経済危機の中、業績の悪化した大手企業がコスト削減の負担を下請中小企業に押し付ける危険性がある。ついては、下請かけこみ寺事業の相談機能・フォローアップ体制の拡充強化、並びに下請取引推進ガイドラインの周知徹底等をはかられたい。
また、下請代金支払遅延等防止法をはじめとする関係法規等による監督・指導を徹底されたい。

(4)中小企業施策の広報活動強化

中小企業にとって極めて有益な施策がある一方で、その周知が行き届いていない面がある。商工会議所においても、事業所訪問や窓口相談、各種広告媒体等を通じた施策の周知活動を積極的に行っているところではあるが、多数の事業所にタイミング良く情報を提供することには限界がある。ついては、テレビCMや新聞広告をはじめ、PR効果の高い媒体を積極的に活用するなど広報活動を強化されたい。

(5)中小企業の経営基盤強化のための税制措置

激変する経営環境に置かれている中小企業の経営基盤を強化する観点から、中小企業の軽減税率の適用所得金額(現行800万円)の引き上げや対象事業者の拡大等、必要な税制措置をとられたい。
また、現在、都市部の企業にのみ課税されている事業所税は、対象都市部での新規開業や事業所の新規立地を阻害していることから、早急に廃止されたい。

2.中小企業に対する金融支援の強化

(1)資金繰り支援策の円滑な実施と機動的拡充

緊急保証制度や各種融資制度の拡大によって、中小企業の経営の安定に一定の効果を挙げている。しかしながら、急激な受注・売上の減少により、中小企業の資金繰りが悪化することが予想され、一部においては借入金の返済が遅滞することも懸念される。また中堅企業においても資金調達面で厳しい状況が続いている。
ついては、平成22年3月末までとされている緊急保証制度の取扱期間を当面延長するとともに、政策の柱として、経済情勢に応じた次の措置を講じられたい。

  • ①緊急保証制度の保証枠・対象企業の拡大、認定要件緩和、保証料率の引き下げ
  • ②小口零細企業保証制度の保証限度額の拡大(現行1,250万円→2,500万円)
  • ③セーフティネット貸付のさらなる拡充と推進強化(別枠指定期間延長、金利引下げ、原則第三者保証人不要)
  • ④マル経の商業・サービス業における従業員要件の拡大(現行5人以下→10人以下)
  • ⑤融資審査の迅速化・弾力化
  • ⑥信用保証協会、日本政策金融公庫の一層の財務基盤強化
  • ⑦景気低迷の長期化に対応した緊急保証制度に続く支援策の策定
(2)既往借入金返済負担の軽減

既往借入金返済負担の軽減をはかるため、公的融資の返済猶予や条件変更への柔軟な対応、融資制度や保証枠の種類に拘わらない借換による複数債務の一本化等を促進するよう関係機関に働きかけられたい。また、条件変更中の企業への追加融資についても、積極的に実行されるような環境整備をされたい。

(3)政府系金融機関における第三者保証人等を不要とする融資制度の改善

信用保証協会においては、原則第三者保証人が不要となっており、政府系金融機関においても、第三者保証人を不要とする制度へのニーズが高まっている。
ついては、現在、上乗せ金利の引き下げ措置が取られているセーフティネット貸付、新創業融資制度に加え、他の融資についても、利用要件の緩和を図るとともに上乗せ金利を軽減し、中小企業が利用しやすい制度に改善されたい。

(4)責任共有制度に係る融資の適正な貸出についての指導

厳しい経済環境の中で、大企業に比べ資金調達方法に限りがある中小企業にとって、信用保証制度は大きな役割を果たしている。責任共有制度による貸出姿勢消極化の弊害で、信用保証制度の趣旨が妨げられることがなきよう、金融機関による保証付融資の適正な貸出について、指導されたい。

3.雇用セーフティネット施策の拡充等

(1)雇用維持に対する支援

雇用調整助成金並びに中小企業緊急雇用安定助成金の拡充、残業削減雇用維持奨励金の創設などは、中小企業等が雇用を維持していく上で、セーフティネットとしての役割を果たしつつある。しかしながら、経済・雇用の先行きは予断を許さない状況にあり、今後の動向を注視しつつ、引き続き機動的に対応されたい。なお、中小企業緊急雇用安定助成金制度の適用期間は「当面の間」とされているが、経済が力強い回復軌道に乗ったことが確認されるまで制度継続を図られたい。
また、雇用調整助成金の一日当たりの支給限度額の引き上げや「残業削減雇用維持奨励金」の比較期間(遡って6カ月間)の見直しを図られたい。さらには、休業等に追い込まれる中小企業にあっては、その間の収入が途絶え、資金繰りが苦しくなることが予想されるため、手続きの簡素化や迅速な判定・支給に努められたい。

(2)雇用創出に対する支援

雇用維持と併せ、新たな雇用や非正規労働者の正社員化に取り組む中小企業に対して、各種助成金や奨励金の増額など、支援措置の尚一層の拡充を図られたい。

(3)ジョブ・カード制度(職業能力訓練)による雇用マッチングの促進

ジョブ・カード制度の普及、とりわけ職業能力訓練の受け入れ先となる企業開拓の実効を上げていく上で、訓練受入れ企業に対する助成制度の一層の拡充と負担軽減に向けた制度改善を図られたい。
また、各都道府県に所在する労働局(ハローワーク)、ジョブカフェなどの関係機関においては、求職者の積極的な誘導をはじめ、本制度の普及・浸透に向けて更に連携を強化されたい。
なお、手続き面に関して、訓練実施計画に係る書類を大幅に簡素化するとともに、訓練計画の認定までの時間を極力短縮化させるなど、使い勝手の良い制度の実現に向けた改善を進められたい。

(4)職業訓練支援策の拡充

中堅・中小企業が、各社の中核となる人材や時代のニーズに即応できる従業員を育成するため、キャリア形成促進助成金を一層拡充するなど職業訓練支援策を精力的に実施されたい。

(5)労働規制への慎重な対応

企業は自らの責任と自治において経営を維持しており、労働規制が一律に導入されれば、自主的な経営権を脅かし、その競争力を阻害する要因にもなりかねない。また、規制強化により、事業所の海外移転が更に加速し、却って国内の雇用機会が減少することも懸念される。労働規制については、安易な規制強化は避け、失業者対策の側面だけでなく、中長期的な観点から産業経済に及ぼす影響にも十分配慮しつつ、慎重に検討されたい。
まずは、経済・雇用情勢の急激な変化に対応し得るセーフティネットの再構築や正規雇用者の割合が一定以上の企業に対するインセンティブ付与などを行われたい。

4.新型インフルエンザ発生地域等に対する国による支援

新型インフルエンザの国内感染者が確認された関西地域においては、過剰な外出・出張自粛などにより、旅館・ホテルの宿泊キャンセルが43万人以上に達し、交通機関・小売・飲食店の利用状況は、前年に比べ2ケタ減に陥るなど、観光関連産業・小売商業など地域経済に甚大なダメージを与えるとともに、その影響は未だ継続している。こうした状況を踏まえ、今後の新型インフルエンザ等の対応については、国による激甚災害と同等の支援を検討されたい。

(1)風評被害防止に向けた適切な情報発信

観光や出張の過度な自粛等により、該当地域の経済活動に悪影響を及ぼさないよう、国民に対し、新型インフルエンザに関する適切な情報発信に努められたい。
また、感染者数を公表する際には、風評被害を防止するため、治癒した人数も併せて公表されたい。

(2)中小企業向け資金繰り対策の実施

既に、新型インフルエンザに係る緊急保証制度の運用緩和等が打ち出されているが、今後の対策においてもセーフティネット保証の適用と運用緩和、政府系金融機関が実施するセーフティネット貸付の拡充・金利の減免等の措置を迅速に講じられたい。
また、融資審査に当たっては、与信限度額がネックになることが予想されるため、不可抗力による被害が生じることを斟酌し、可能な限り貸付を実現するよう関係機関に働きかけられたい。加えて、既に条件変更を行っている企業を含めて既往借入金の返済負担軽減(返済猶予・借換一本化等)と同時に追加融資を実行するなど、特段の措置を講じられたい。
さらに、今後も同様の事態が発生した際、各自治体が独自の判断で実効性のある対策融資を実施できるよう、これらの制度融資についても、責任共有制度の対象外となる特例措置を講じられたい。

(3)観光・商業に関する支援の実施

今回の新型インフルエンザの発生は、特に観光・商業などに著しい被害をもたらしたが、その賑わいを回復することが喫緊の課題である。このため、国として各種会合やコンベンション等の開催を推進するとともに、該当地域における地域活性化のための観光イベント等についても積極的に支援されたい。

(4)観光関連産業におけるキャンセル被害への損失補てんについて

今回の新型インフルエンザにおいて、宿泊・飲食などの観光関連産業では、相次ぐキャンセル被害により、数か月に亘り深刻な影響を受けた。
ついては、キャンセル被害に対する損失を補てんする公的制度を創設されたい。

(5)大規模災害等事前対策への支援

大都市直下型地震などの大規模災害が今後30年以内に高い確率でおこるとされており、建物の耐震強度の向上を図る改修・補強が必要となるが、中小企業にとっては利益に直結しないことから対応が遅れている。
このため、各種補助制度や税制面での優遇措置の拡充等を講じられたい。
また、これらの災害や新型インフルエンザなどに適切に対処するためにも、中小企業へのBCP(緊急時企業継続計画)の普及、BCPに対応する企業体制の整備等を行うための諸施策を講じ、企業の取り組みに対するインセンティブの構築を図られたい。 併せて商工会議所等が行う普及啓発セミナーの開催等について、十分な予算措置を講じられたい。

Ⅱ.経営環境の変化に適応し、新分野に挑戦する中小企業への支援

1.新分野進出・販路開拓に対する支援

(1)企業間連携の促進:地域中堅・中小企業と大企業とのマッチング支援

中堅・中小企業が潜在的に有する成長力を伸ばすためには、国内外で高い競争力を持つ企業群と事業連携を図っていくことが重要である。そのためには、高度なクラスターを形成する大企業と、高い技術力を有する中堅・中小企業との結びつきを強めるため、地元自治体などが主催する、大企業と中堅・中小企業とのマッチングを図る事業への支援制度を拡充されたい。また、大企業の求めるニーズと中堅・中小企業が有する技術シーズとの融合を促進するため、双方をマッチングする専門家を配置するなど、支援策を一層強化されたい。

(2)中堅・中小企業の環境・エネルギー問題への取り組み支援

今後の有望市場である環境・エネルギー産業への中堅・中小企業の参入をサポートするとともに、省エネ・環境対策を進める企業への環境対応機器導入支援策を強化し、産業界全体としての需給両面にわたる取り組みを促進されたい。

①環境・エネルギー産業への参入促進策の実施
我が国が有する世界最高水準の省エネ技術を更に強化するためには、優れた省エネ技術を持つ企業同士の事業連携を促進させることが肝要である。そこで、省エネ・環境技術をマッチングするコーディネーター制度の創設や、省エネ技術・環境技術を持つ優良企業リストの策定・紹介など、広く省エネ・環境技術の開発強化・普及促進につながる支援策を通じ、中堅・中小企業の環境・エネルギー産業への参入を促進されたい。
②環境・エネルギー産業の市場創出に向けた施策強化
我が国が世界に先んじて、環境貢献型の社会システムを構築するためには、関連マーケットの創出・拡大が急がれる。このため、幅広い分野でのエコ対応製品・サービスの導入に向けたインセンティブを一層強化されたい。
③中小企業の環境問題への取り組み支援
環境技術・省エネルギー分野における、わが国の競争力を維持・強化するため、企業の省エネルギー・温室効果ガス排出削減のための設備機器導入促進に向けた補助制度の拡充を図るとともに、税制面の優遇措置、融資制度などの支援措置を拡充されたい。
④「国内クレジット制度」(国内CDM)の活用支援
中堅・中小企業の「国内クレジット制度」(国内CDM)の積極活用を促すためには、自社のエネルギー使用量の現状把握と、省エネ後のコスト削減効果が具体的に認識できることが鍵となる。このため、省エネ無料診断の拡充や、使用量の把握が容易な機器・システムの導入支援を図られたい。

2.ものづくり・技術革新等に対する支援

(1)中小企業の技能伝承の促進

地域で古くから脈々と受け継がれてきた伝統産業・技術については、需要不振や後継技術者の不在、伝統産業を支える道具類の枯渇化等で、やむなく廃業・技術破綻してしまう恐れがある。これまでにも伝統的な技術や産業から新技術・新産業が数多く生まれてきた経緯があり、優れた技術は地域で継承していく責務がある。そこで、若い世代に対する人材育成の支援や伝統産業に触れる機会の創出・PR等、わが国が守り育てていくべき伝統技術の継承を促進されたい。

(2)地域中堅・中小企業を含む工場集積の維持・拡充に向けた施策強化

近年、都市部の工場集積地域を中心に工場跡地への住居の進出が増加し、事業者間の緊密な連携を通じて蓄積されたものづくり力の低下が危惧されている。そこで、一定規模以上の都市部の工場集積地については、住宅よりも工場立地を優先させるなど、産業競争力の維持・向上と地域の生活環境との両立を目指した土地利用策を検討されたい。

(3)中小企業のイノベーションの支援強化

中小企業はかつてない厳しい経営環境におかれているが、こうしたときこそ市場ニーズを的確につかみ、社会が求めている技術や製品を提供していくことが重要となる。次の成長に向けてイノベーションに挑戦する中小企業を支援するために、次の措置を講じられたい。

  • ①研究開発税制の抜本的拡充
  • ②SBIR制度の周知強化と活用促進
  • ③知的財産の保護・活用に係る支援強化
  • ④IT設備投資に対する更なる減税
(4)サービス産業のイノベーション促進

サービス産業は、わが国GDPの約7割を占め、今後の成長エンジンとなることが期待されている。先端的なサービス産業の創造、既存事業の生産性向上を加速させるため、産学官連携による実証的研究や成果の中堅・中小企業へのフィードバック、製造業など異業種との融合・コラボレーションの推進を図ることが重要である。そのため、産学官が連携して推進する、サービス産業分野における地域のプラットフォームの運営を積極的に支援されたい。

(5)商店街の再生支援施策の充実

商店街内で、事業を廃業しても住宅として住み続ける元事業主が多く、商店街の空洞化を助長するとともに、適切なテナントミックスを阻害している。地域商店街活性化法で譲渡所得特別控除が認められることとなっているが、譲渡対象や適用要件についての緩和を講じられたい。さらに商店街等が空洞化を防止し、再生をはかるために不動産を保有・売買する場合の様々な税制等の優遇措置を併せて整備されたい。

(6)環境にやさしいまちづくりの推進

大型店における駐車場の必要台数確保は、周辺道路交通への影響を最小限に抑制する観点から立地法の「指針」で示される一方、地域の事情に応じた弾力的な運用も認められている。しかし、この基準が厳格に運用されるあまり、都心部では逆に車の流入が増加し周辺交通の渋滞を招いている。
ついては、公共交通等による利便性が一定確保されている場合には駐車場の抑制を図るなど、環境にやさしいまちづくりを推進されたい。

Ⅲ.地域の強み・特性を活かした地方再生・活性化への支援

1.大阪湾岸地域(パネルベイ)への施策の集中投下

大阪湾岸地域(パネルベイ)は、太陽電池をはじめ環境・エネルギー関連分野などにおいて世界トップクラスの集積が進んでおり、次世代を担う先端産業の戦略拠点として振興することが、国全体の産業活力増進に資すると考える。このため、先行モデルエリアとしての工場立地規制の大幅緩和、関連予算の集中投入など、幅広い分野での施策を展開されたい。同時に、先端産業と中堅・中小企業とのコンバージェンス(融合)を促すため、中堅・中小企業の保有する優れた技術・アイデアを、事業化力のある大企業につなげ、新たな製品の創出を図るマッチング事業を積極的に推進されたい。

2.医療・ライフサイエンス産業への支援

医療・ライフサイエンス産業は、科学技術立国の重点分野として、成長力強化や内需拡大の観点から注目を集めている。関西では、神戸医療産業都市構想、彩都ライフサイエンスパーク、京都バイオシティ構想、関西文化学術研究都市を中心に、わが国を代表する広域的なバイオクラスターの形成を目指しており、この取り組みを加速させるため、以下の措置を講じられたい。

  • 創薬・医療機器開発・先端医療等に関する施設整備への投資、研究開発や試作等の事業化、市場調査や販路開拓に向けた取り組みに対する補助制度の拡充についての重点的な支援
  • 薬事法に基づく承認手続きの簡素化や承認、特許、PLなどに関する、専門家の指導等の相談体制の強化
  • メディカル・バイオとエンジニアリング双方に高い知見を有するコーディネーターによる、モノづくり企業と医療機器メーカーとのアライアンス活動の支援

3.環境対応車(エコカー)など新産業の振興・育成支援

政府が緊急経済対策として打ち出した環境対応車(エコカー)の普及推進に関し、中小・小規模部品メーカーにとっては、その対応のため設備投資負担は大きいものがある。これらを資金面で支援するため、エコカー開発に対応した長期低金利の融資制度の創設や減税措置等を講じられたい。
また、中部における航空宇宙産業、新エネルギー産業といった新たなリーディング産業の振興には、地域中小企業が積極的に参画していくことが重要であり、研究開発や試作品開発、販売ツール等、その取り組みに対する補助制度をさらに拡充するとともに、申請手続きの簡素化を図られたい。

4.次世代スーパーコンピュータの効果的な利活用の促進

神戸に建設中の次世代スーパーコンピュータについては、幅広い国内の中堅・中小企業における利活用が促進されるよう、効果的かつ利用しやすい制度・仕組みを整備されたい。 特に、中堅・中小企業に対する相談体制の早期確立に努めるとともに、産業利用ニーズの掘り起こしを図るため、企業の経営者や研究者を対象とした利活用促進セミナー等を開催し、理解増進を図られたい。

以上


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