提言・要望

依然として、多くの企業が厳しい経済環境におかれていることから、「地域経済の発展」と「中小企業振興」を使命とする名古屋商工会議所では、新政権に対し、早期の景気回復をはじめとした5つの項目を要望致しました。

新政権に望む

我が国経済は、世界経済のグローバル化・多極化の進展とともに、不安定さを高めるなか、米国の金融危機に端を発した戦後最悪の世界同時不況に見舞われ、多くの企業、特に中小企業は、未だ、その大きな痛手から抜け出せずにいる。

加えて、危機的ともいえる財政と急速に進む少子高齢化が、社会保障制度の脆弱性と相俟って、国民生活に大きな不安感を与えている。

このように我が国社会を覆う閉塞感を打ち破り、生活の安定と希望の持てる将来の実現を求めて、国民が今回の政権交代という選択を行なったものと考えている。

新政権には、この歴史的な選択を重く受け止められ、その期待に応えるよう、その重責を果たして頂きたい。

厳しい財政状況のなか、経済と生活の早期安定化に向けた課題は山積しているが、国民各層の意見を聞きながら、中長期的視点に立った議論を重ね、政策運営に取り組まれることを期待する。

特に、地域経済の発展と中小企業振興を大きな使命とする名古屋商工会議所としては、新政権に対し、下記事項について、その実現を強く要望する。

Ⅰ.早期の景気回復とその後の成長戦略の明示と実行
未曾有の経済不況にも、ここにきて改善の兆しが見えつつあるが、我が国経済の活力の源泉であり、雇用の受け皿である中小企業を取り巻く環境には、依然として厳しいものがある。
景気が腰折れすることなく、早期に本格的な回復軌道に乗るよう、迅速・果敢な政策を講じて頂きたい。
その際、内・外需のバランスに配慮するとともに、その後の安定成長に向けた具体的な戦略の明示と着実な実行に取り組まれたい。
Ⅱ.安心・安全な国づくり
少子高齢化に対応した持続可能な社会保障制度の構築をはじめとして、国民が将来の生活に夢と安心が持てるビジョンを明確にして頂きたい。
また、「企業の発展」と「国民生活の安定」を相克の関係ではなく、企業の発展が勤労者所得を向上させ、生活の安定が内需を創出し、更に企業の発展につながるといった相互依存の循環サイクルの関係として捉えるべきである。
派遣制度や最低賃金などのあり方の検討に際しては、是非ともこのような視点のもと、国民各層の理解が得られるような十分な議論を行なわれたい。
Ⅲ.財政の健全化と税制改革の実行
自律・持続可能な社会の構築のためには、財政の健全化は重要な政策課題の一つである。
予算の無駄の排除に注力頂くとともに、財政のあるべき姿についての国民的議論を深め、財政の健全化を実現されたい。
また、租税特別措置の見直しに当っては、我が国経済活力の源泉であり雇用の受け皿を担っている中小企業の育成・振興に寄与している現行制度については、是非とも恒久化の対象として頂きたい。
Ⅳ.持続可能な地球温暖化対策の構築
我が国が世界の先頭に立って地球温暖化対策に取り組むとして、意欲的な削減目標を掲げられているが、実現に向けた道筋ならびに企業・家計への影響・負担を明示して頂きたい。
現下の厳しい経済情勢を更に下押しするような環境税の導入ではなく、環境問題を肯定的に捉えた環境革命としての取り組みを優先・充実されたい。
また、何よりも、国民の理解と協力を得ることにより、民生部門を含めた我が国全体としての温暖化防止への取り組みが重要であると考える。
是非とも、環境と経済のバランスの取れた実効ある持続可能な地球温暖化対策を構築されたい。
Ⅴ.世界のモノづくりの中心地をめざす愛知・名古屋への支援
愛知県は、日本のロータリーとしての中部圏の核として、東西、ならびに太平洋側と日本海側とをつなぐ交通の要衝地という特性を活かし、30年超に亘り製造品出荷額等の分野において、全国トップの座を維持し続けている。
その座に甘んじることなく、世界のモノづくりの中心地をめざし、航空宇宙産業をはじめとした次世代産業や新技術の育成に、地域を挙げて取り組んでいるところである。
我が国の産業競争力の維持・強化の観点から、当地域の産業振興と、その発展を支える中部国際空港とスーパー中枢港湾・名古屋港の機能強化、並びに高速交通ネットワークの構築に格別なる理解と支援を賜りたい。
また、平成22年度に開催される「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」の成功に向けてホスト国としての万全の措置と、成果の継承に向けた取り組みについての支援を賜りたい。

平成21年9月

名古屋商工会議所

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