2018年 年頭所感

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2018年 年頭所感

名古屋商工会議所 会頭 山本 亜土

明けましておめでとうございます。
会員の皆様には、平成30年の新春をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。

さて、我が国経済は昨年から緩やかな回復基調が続いており、中でも当地経済は、海外需要に支えられて設備投資にも前向きの動きが目立つなど他地域に比べても堅調です。ただ、各産業において引き続き人手不足が深刻で、中小・小規模企業では景気回復の実感が未だ浸透しているとは言えない状況です。

海外に目を向けますと、経済面では、中国や米国の今後の動向等に懸念はあるものの、総じて回復の傾向にあります。通商貿易については、米政権の保護主義的な動きがある中で、昨年11月には米国が抜けた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)につき、残る11カ国が改定案で大筋合意し、12月には日本とEUとの経済連携協定(EPA)交渉が妥結されるなど前向きの取り組みもあって、自由貿易堅持に向けた努力が今後更に進むことを期待します。他方、政治面では、北朝鮮問題、EU諸国の政治混乱、中東情勢、そして各地での度重なるテロ事件など、様々な波乱要因を抱えており、このようなリスクが顕在化することがないよう祈っております。

大きな潮流変化を見据えて、新たな発展へ

このように、現況において当地経済は比較的堅調であると申せます。一方、中長期的にみれば、AIやIoT、ビッグデータ等によるデジタル革命(デジタルトランスフォーメーション)などの変動が、企業活動のあり方を大きく変えつつあります。当地主力の自動車産業も、今後EV化の動きに加えて、自動走行やコネクティッドカー等による大きな変化が予想されます。当地の産業全体としても、このような100年に一度と言われる大変化を念頭に、新たな成長に向けた挑戦を加速しなければなりません。

また、2027年にはリニア中央新幹線の先行開業を予定しており、堅調な経済の現況も相俟って、駅周辺で商業施設やホテルの建設・開業が相次ぎ、栄・伏見地区でも大規模な開発計画が進むなど、名古屋の街は大きく姿を変えつつあります。

この新規投資への大きな動きを捉えて、リニア開通後に関東圏との一体化の中で埋没・吸収されるリスクを乗り越え、飛躍へのチャンスとするため、今後10年の間に、我々の街ナゴヤにしかない個性・魅力を創り上げていかなければなりません。そのために、街づくりと、これと一体で、商業・サービス業や観光・誘客・MICEなどの発展を進める包括的な戦略づくりが必要ではないかと思います。

地域とともに

以上の認識に立って、名古屋商工会議所は「中小企業支援」「次世代産業の振興」「都市力の増進」を3本柱として、本年も全力を挙げて取り組んで参ります。

第一の「中小企業支援」については、70名の経営指導員が年間25,000件の巡回指導や窓口相談の中で、資金調達、事業計画策定、販路開拓や人材育成など、中小・小規模事業者に寄り添ったきめ細やかな「伴走型支援」を行なっております。

今後は、特に、デジタル革命の急速な進行に資金、人材等の制約で遅れがちな中小企業に対してIT化の相談指導を強化していきます。IT導入によるメリットや可能性を伝え気付きを促すため、セミナー等を大幅に増やすとともに、人材育成支援も拡充します。

また、我が国の中小企業事業者数は、この5年間で40万者減少しており、経営者の高齢化が進む中で、今後10年の間に「大事業承継時代」を迎えます。これに対し、本所としても、円滑な事業承継への環境整備と個別支援のための諸施策を更に充実させて参ります。

躍動し、愛されるナゴヤへ

第二の「次世代産業の振興」では、航空宇宙や医療機器など、自動車産業に次ぐ新たな産業の振興のため、更なる取組を進めます。

航空宇宙関連製造業は、当地域で我が国全体の約半分を生産するなど、既に国内最大の集積地になっております。しかし、米国シアトル地域や仏トゥールーズ地域などとの差は未だ大きく、今後当地域が世界的な航空宇宙産業クラスターへと発展するために、大手メーカーの更なる発展とともに、サプライヤー製造業の厚みと拡がりを増す取り組みが重要です。本所としては、昨年の第2回エアロマート名古屋の大成功を踏まえ、来年に予定している第3回の開催準備を鋭意進めるとともに、航空機エンジン分野への参入支援など、多彩な事業を進めます。

また、医療機器については、メディカルメッセの開催準備等の取組を行なうほか、ロボット産業の振興にも努力を続けます。

最後に、「都市力の増進」です。当地はモノづくりの世界的集積地であり、「稼ぐ力」を持った地域です。当地が今後も発展を続けるために、インフラ整備は必要不可欠です。

リニア中央新幹線の効果を最大化し、地域全体にあまねく行き渡らせるため、中部国際空港の二本目滑走路の早期整備、名古屋港整備の着実な推進、名古屋環状二号線や西知多道路等広域幹線道路の整備促進に、引き続き積極的に取り組んで参ります。

更に、リニア開通までの10年間に、ナゴヤが「躍動し、愛されるナゴヤ」として、全国や世界に注目されるような都市になっていくため、行政等と一体となった包括的な戦略づくりと実行策の推進が必要と考えます。昨年夏以来、「躍動し愛されるナゴヤ研究会」を設置して検討を続けており、本年半ばまでには取りまとめを行なって、これに基づいた具体策を進めていきたいと思います。

以上の3本柱の下で、本所としては、本年も全力を挙げて地域と産業の発展のために取り組んでまいる所存です。

会員の皆様におかれては、本年も何卒、本所の活動にご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げて、新年の挨拶とさせていただきます。 

平成30年1月1日

以上


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