生成AI活用セミナー「AI時代のジャイアントキリング」を開催

2025年09月17日

生成AIがもたらす衝撃と中小企業の勝ち筋を探る
2025年9月17日(水)、Pit-Nagoya(名古屋中小企業IT化推進コンソーシアム/事務局:名古屋商工会議所 中小企業部)は、生成AI活用セミナー「AI時代のジャイアントキリング〜生成AIがもたらす衝撃と中小企業の勝ち筋〜」を開催しました。
当日は、中小企業の経営者や総務・管理部門の責任者など約80名が来場し、生成AI時代における中小企業の生存戦略と可能性について理解を深めました。

講師を務めたのは、生成AI活用コンサルティングや生成AI研修を提供するスノーフレイク・コンサルティング合同会社 代表社員の中島正博氏です。
中島氏は、名古屋商工会議所およびPit-Nagoyaが運営する「AI PRACTITIONERS' LOUNGE」の相談員としても活動しており、実務に基づいたAI活用支援を行ってきた経験から、今回の講演では「AI時代のジャイアントキリング」というテーマのもと、理論だけでなく実際にAIを動かすための指示方法(プロンプト設計)や、現場での運用例までを具体的に解説しました。

背景:中小企業向けの情報不足と現場の不安
2025年に入って以降、生成AIの中でも「AIエージェント」と呼ばれる自律型AIの導入が大企業を中心に急速に進んでいます。華やかな発表が相次ぐ一方で、中小企業向けの実践的な情報は依然として少なく、現場では「自社で何ができるのか」「AI時代に取り残されないか」といった漠然とした不安が広がっています。

こうした背景を受けて中島氏は、「大企業の事例ではなく、中小企業の現場に即した"勝ち筋"を共有したい」として今回のセミナーをPit-Nagoya事務局とともに企画。現実的な導入プロセスや考え方を、実例を交えて紹介しました。

セミナーの特徴的な内容
中島氏は講演の中で、中小企業が持つ3つのアドバンテージと、不安を希望に変える3つの具体的打ち手を提案しました。

▶中小企業のアドバンテージ
・迅速な意思決定
 フラットな組織構造により、AI導入をスピーディに判断できる。

・企業文化の濃縮
 AIが定型業務を担うことで、人間が企業理念や価値観を体現する役割に集中できる。

・大企業との協業機会
 新規事業創出を求める大企業に、独自技術や専門知見を提供し、パートナーとして台頭できる。

提案された3つの打ち手
・小さく始めて大きく育てるAI導入
 完璧を求めず、試験導入を通じて成功体験を積み重ねる。

・企業理念の言語化と浸透
 AIが代替できない"人間らしさ"を守るため、理念を明確にし全社員で共有する。

・技術・知見の見える化
 大企業や他社から信頼される外部パートナーとして選ばれるため、自社の強みを積極的に発信する。

講演中、中島氏はAIツールの操作デモや指示文設計の実例を交えながら、「生成AIは万能ではないが、人の判断を支える強力な相棒になる」と強調。
単なるツール導入ではなく、「AIを企業の一員としてどう活かすか」という視点を提示しました。

参加者の反応
セミナー終了後に実施したアンケートには、56名から回答が寄せられました。そのうち98.1%の方が「役に立った・今後役に立ちそう」と回答しており、参加者の高い満足度がうかがえます。寄せられた声の一部を抜粋してご紹介します。

「生成AIの導入から、それを自社に定着させ、別事業に活かせそうな可能性を感じた。」

「人中心の施策の大切さを再認識しました。」

「AI導入後の姿や中小企業ならではの立場はイメージできていなかったので非常に参考になった。」

「自社がサービスを提案していくうえで、人がやるべきこと・AIに任せることを整理するヒントを得られた。」

今後の展望
Pit-Nagoyaでは、今後も「AI PRACTITIONERS' LOUNGE」を運営しながら、現場に根ざした生成AI活用支援や実務者同士の学びの機会を継続的に提供していく予定です。中小企業が自らの強みを活かし、AI時代においても確かな成長を実現できるよう、引き続き伴走してまいります。

以上

お問い合わせ先

Pit-Nagoya事務局 名古屋商工会議所 中小企業部 (担当:田中利直)
TEL:052-223-5736
E-mail:t.tanaka@nagoya-cci.or.jp

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