愛知県を対象とする「緊急事態宣言」の延長決定について

2021年5月28日

 感染力の強い変異株の蔓延により、依然として収束の見通しが立たないことから、宣言の延長は致し方ないと思うが、これ以上の延長や新たに発令がされることのないよう、今の情況に終止符を打っていただきたい。 緊急事態宣言などが繰り返されてきたことで経済は疲弊し、特に飲食や宿泊、観光業など人流に左右される業種・業態は大変厳しく、廃業に追い込まれた事業者も多い。政府や自治体には、もがき苦しみながら耐え忍んでいる事業者が各種の支援策を有効に活用し事業が継続できるよう、制度の迅速かつ弾力的な運用をお願いしたい。

 営業時間短縮や休業要請、テレワーク促進など人流の抑制を図ることは一定程度の効果を期待できるが、国民はすでに我慢の限界に達しており、それだけでは解決できない段階まで来ていると思う。唯一の打開策であるワクチン接種については、大規模接種会場が設置され、高齢者の接種が進められているが、未だ一般への接種時期は見通せていない情況である。
 経済回復のカギは迅速なワクチン接種にある。政府と自治体は協力を密にし、接種のスピードアップに総力を挙げるとともに、国民のワクチン接種に至る道筋をしっかりと開示していただきたい。その上で、国民に「いつまで辛抱をするのか」を丁寧に説明し、協力を依頼することが現時点での最善の手立てだと思う。

 政府や自治体の強いリーダーシップのもと、我々一人ひとりが徹底した感染防止を図るなど、自覚をもった行動が改めて厳しく求められる。


名古屋商工会議所
会頭 山本 亜土


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