昨年11月より会頭としての2期目がスタートいたしました。3年前の就任時に掲げたキャッチフレーズ「未来の名古屋を拓く力~支える・繋がる・広がる~」を一層深化・発展させ、具体的な取り組みを重ねながら、当地のさらなる発展に全力で取り組んでまいります。
名古屋商工会議所 さて、我が国経済は足元では緩やかな回復傾向を維持しており、賃上げ基調を背景とした成長型経済への動きが着実に進んでおります。一方、米国関税措置の影響や日中関係の動向など、依然として数多くの不確実性を抱えています。
とりわけ中小企業では、物価高騰や人手不足、DXへの対応などが深刻な課題となっており、価格転嫁の動きは広がりつつあるものの、転嫁率は未だ3~4割程度にとどまるなど、厳しい経営環境が続いております。地域経済の屋台骨ともいえる中小企業をしっかりと「支える」ことこそが、商工会議所の最重要の使命であり、全役職員が一丸となってサポートしてまいります。
会頭に就任以降、会員企業を100社訪問するなかで、各企業が"百社百様"の強みと創意工夫で、他社との価格競争のみに陥らず、付加価値の高い商品やサービスの開発・提供に挑戦している姿を見てまいりました。
厳しい環境下だからこそ、自社の強みを今一度見つめ直し、従来の枠に捉われない新たな取り組みで未来を切り拓いていただきたいと思います。前向きにチャレンジする企業を1社でも増やすべく、本年も経営指導の充実を図りながら、伴走支援体制の強化に取り組んでまいります。
また、人手不足への対応や賃上げの原資を確保していくためにも、DXの推進やAIの活用による業務効率化や付加価値の創出が不可欠です。昨年度は、先進的に取り組む企業を顕彰する「NAGOYA DX・生産性向上アワード」を実施いたしましたが、本年度は受賞企業の視察会や他地域の先進企業を招いた勉強会など、DX推進に向けた環境整備や実践支援を本格化させております。特に、中小・小規模事業者の皆さまにはPit-NagoyaによるIT導入支援やAI活用の相談も受け付けており、DX推進の取り組みの裾野拡大に注力しています。
不確実性が増す時代において、企業が持続的な成長を遂げるためには、新たなビジネスへの挑戦やイノベーションの創出が不可欠です。異業種・異分野間の連携はもちろん、行政や研究機関、スタートアップなど多様なステークホルダーとのつながりはますます重要となります。
このため、「メッセナゴヤ」や「アライアンス・パートナー発掘市」などの展示会・商談会を実施し、企業同士が直に出会い、協業や販路拡大に「繋がる」場を一層充実させてまいります。
また、産業の分野では、ものづくり産業の集積地としての強みを活かし、航空機や医療機器、環境・エネルギーに加え、これから成長が期待される宇宙産業への参入支援にも取り組み、次世代産業の育成・振興に注力しているところです。
さらに、「なごのキャンパス」などを通じたスタートアップ支援や異業種交流の促進により、イノベーション創出に繋がる環境づくりを進めてまいります。
今年は、最大45の国や地域から約1万5,000人が集まるアジア最大のスポーツの祭典「アジア・アジアパラ競技大会」が当地で開催されるほか、2027年の「アジア開発銀行総会」、2028年の「技能五輪国際大会」と、この先、国際的な会議やイベントが連続して開催されます。加えて、今年は、当地を舞台としたNHK大河ドラマの放送も予定されており、愛知・名古屋への注目が高まる大変重要な年となります。こうした好機を最大限に活かし、地域の魅力をさらに磨き上げ、国内外へ積極的に発信しながら都市のブランド力の向上に努めてまいります。
また、都市の発展・活力向上には交通インフラの整備も極めて重要です。中部国際空港や名古屋港、広域幹線道路の整備促進と機能強化、リニア中央新幹線の建設促進など、関係機関と連携しながら着実に推進し、国際交流都市として機能の強化を図っていきたいと思います。
「本年の干支である「午」は、力強く駆ける姿から「物事が順調に進み、発展や成功へ導く」と言われています。皆さま方には、変化の激しい経営環境の中でも果敢に挑戦を続け、着実に歩みを進めていただきたいと思います。
2026年も、会議所活動への一層のご理解とご支援をお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
2026年1月1日
以 上