令和5年(2023年) 年頭所感



 明けましておめでとうございます。
 皆様には、令和5年の新春を健やかにお迎えのこととお喜び申し上げます。

 昨年11月に名古屋商工会議所の第30代の会頭に就任し、初めての新年を迎えました。改めて身の引き締まる思いでございます。

 新型コロナの感染拡大からまもなく丸3年になります。昨年は様々な規制が緩和・撤廃されたことで、ようやく経済が動き出したものの、11月からは第8波に突入しました。折角動き始めた経済活動を止めないためにも、一日も早く沈静化し、ウィズコロナの中で経済を確実に回していくことが大切であります。

 また、昨年2月に勃発したロシアのウクライナ侵攻は、エネルギー供給の制約や価格高騰により世界経済に大きな打撃を及ぼしております。加えて急激な円安や半導体不足による混乱、さらに様々な業界で人手不足が深刻となるなど、難しい課題を一気に突き付けられた一年でありました。
名古屋商工会議所 会頭 嶋尾 正 名古屋商工会議所 
会頭 嶋尾 正

中小企業の挑戦と変革を後押し

 このような経済・社会構造が大きく変化する時代にあって、企業が安定的に成長を続けるためには、常に環境に適応し、自らを変える「挑戦」や「変革」を続けていく必要があります。そうしたチャレンジ精神が、時代を乗り越え、さらなる成長のためには不可欠であると存じます。
 このため中小企業が自ら様々な変化に対応しようとする積極的な取り組みに対して、私ども商工会議所がお手伝いできればと考えております。
 会議所活動の根幹は、「中小企業の支援」であり、本所では70名の経営指導員による巡回・窓口相談を軸にしながら、中小・小規模事業者に寄り添った「伴走型支援」を行なっております。
 補助金を活用しながら、将来に向けた取り組みに挑戦したいという企業からの前向きな相談が数多く寄せられており、コロナ禍で急速に進んだデジタル化への対応を始め、生産性向上や業務の効率化、事業再構築、10月に導入されるインボイスへの対応など、総力を挙げて中小企業支援に取り組んで参ります。
 また、「メッセナゴヤ」や「売り込み!商談マーケット」などの開催を通じて、中小企業のビジネスチャンスの拡大や人脈づくり、商談の支援を展開するとともに、金融・税務・法律・経営・労務など幅広い分野にわたる経営相談などの諸事業を実施いたしております。

次世代産業の振興とイノベーション・スタートアップの創出

 今後の企業の持続的な成長や当地域のさらなる発展には、デジタル化やグリーン化、さらに自動車産業の「百年に一度の大変革」など、これから避けて通ることができない大きな時代の潮流に対応しなければなりません。そのためには成長が見込まれる次世代産業の振興や革新的なアイデアや技術によるイノベーション、さらにスタートアップによる新しい価値創造が重要になります。
 次世代産業の振興については、医療機器分野では「メディカルメッセ」、航空宇宙各分野では国際展示商談会「エアロマート名古屋2023」などの事業を通じて、各分野への参入を支援いたします。さらにスタートアップ・新事業の創出では、「なごのキャンパス」 を核に、入居するスタートアップ企業との交流やニーズに応じたマッチング事業、新たな分野での人脈の形成を支援することで、地域発のイノベーション、スタートアップを創出する役割を果たして参りたいと思います。

選ばれて人が集うまち・名古屋を目指して

 本所では昨年10月に「名古屋まちづくりビジョン2030」を策定しました。将来に亘って想像力に溢れた魅力的な都市づくりを目指し、クリエイティブ人材が集まる魅力ある都市づくりなどに向けて官民連携によるまちづくりを強力に推進することで、当地の都市力・産業力強化にも努めて参ります。
 昨年11月に「ジブリパーク」がオープンし、国内外からの注目を集めております。リニア開業を見据え、MICE施設やラグジュアリー・ホテルのオープンも控えており、多くの人が集い、交流する受け皿が整ってきております。
 加えて、本所では歴史・文化、食、スポーツなどの分野においても、当地域の魅力に磨きをかけて、歩いて楽しいまちづくりを推進するとともに、中部国際空港の第二滑走路の早期整備や、リニア中央新幹線の早期開業、名駅のスーパーターミナル化、高速道路を始めとする高規格道路の整備促進、名古屋港の機能強化などのインフラ整備、さらに東京一極集中の是正など関係機関との連携のもと推進して参ります。

むすび

 今年の干支は、兎でございます。干支に掛けて申し上げれば「兎の登り坂」という諺がございます。兎は後足が長く登り坂が巧みであることから、得意分野で実力を発揮すること、あるいは条件に恵まれて物事が調子よく進むことでございます。
 皆様には、是非、今年を現在の難局を乗り越え、次のステージに駆け上がることに「挑戦」する一年にしていただきたいと思います。
 名古屋商工会議所は、様々な事業を積極的に展開し、その「挑戦」をサポートして参ります。
 今後とも会議所活動に対する一層のご理解とご支援をお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

2023年1月1日

以 上

PAGE TOP